ステレオとサラウンド
ステレオフォニック

≪立体音響の概念図≫
私たちは音に包まれた音場(サウンド フィールド)、すなわち音波の存在する空間の中で暮らしています。音は四方から、また遠くから近くから聞こえてきます。
私たちは2つの耳を持っていますが、左右の耳にやってくる音の差、すなわち両耳に入る音の大きさの差や時間差などを聞き分けて、音の方向、遠近、広がりなどを立体的に感じています。
どこかの音場(原音場)にマイクロフォンを置いて収録した音を再生音場の再生装置によって聴くときに、あたかも原音場の中にいるように、音源の位置やひろがり、響きを感じることを立体音響「ステレオフォニックサウンド」といっています。
2チャンネルとマルチチャンネル
立体音響再生のためには、原音場で聴いているのと同じような音波を左右の耳にとどける目的で複数のスピーカーを使います。
マイクロフォンからスピーカーに音の情報を送る線路「チャンネル(ch)」があると考えてみましょう。マイクロフォンでひろった音を2本の線路で送り、2つのスピーカーで再生するのが「2チャンネルステレオ」です。
2チャンネル以上は複数ですからマルチチャンネルですが、永年親しんできた2チャンネルオーディオが一般に「ステレオ」と呼ばれていますので、3チャンネル以上を例えば「5.1chサラウンド」と呼びわけることにします。
音 場を再現するためのサラウンドでは何チャンネルあればよいのか? 今から35年も前に15チャンネルが必要という提案がされたこともありますが、メディア が扱うことのできる情報量や経済性などが考慮されて、まずはスピーカーを四周に4本配置する4チャンネル方式が商品化されました。その後、ハイビジョン放 送での前方3後方1スピーカーの方式や、映画のサラウンドサウンド再生方式での経験が積み重ねられ、前方3後方2と低音効果用1(周波数範囲が限られるの で0.1としてカウントする)スピーカーの5.1ch方式に落ち着いてきました。
ステレオで十分?
私 たちの耳は2つですから2チャンネルステレオで十分では? 耳が原音場の中にある、すなわちその場に居るとしますとそのとおりです。しかし再生音場では状 況がちがってきます。原音場の情報を、音響環境が異なる私たちの部屋の中でも同じように自然な感じで再現するためにマルチチャンネル再生方式が必要になり ます。また、マルチチャンネル再生にすることによって、原音場の再現というステレオフォニック再生の基本を超えた新しいサウンドの創造や音楽表現も可能に なります。
マルチチャンネル再生として3チャンネルや4チャンネルも試みられましたが、6本の線路で前方の左右と中央、後方の左右、それに低音効果を加えて送るのが現在の5.1chサラウンドです。
正確には6チャンネルですが、低音のチャンネルは取り扱う周波数の幅が狭いので0.1チャンネルとされています。
サラウンドはどうやって聞くの?
ディスクや放送でもたらされる立体音場再生を楽しむとすれば5.1chサラウンド再生です。具体的には6個のスピーカーによるディスクリート(6つの独立したチャンネルをもつ)5.1チャンネル再生が基本です。
簡易的には2個あるいは3個のスピーカーによって全周方向から音が出ているように感じさせるバーチャル(仮想的な)サラウンドシステムもあります。さらには、ヘッドホンによるバーチャルサラウンドなども気軽に音場再生を楽しめる方法です。
ステレオとサラウンド
[従来のステレオ]
1)聞く人の前方で演奏されることの多い現在の音楽に対して合理的な立体音響方式といえます。
2)最小のチャンネル、スピーカー数で、聞く人に対して前方を重視した立体音響が実現出来ます。
3)50年に近い録音技術の蓄積によって収音技法がほぼ確立されています。
4)最適の聴取位置(スイートスポット)はスピーカーの間隔を一辺とする正三角形の頂点で、ステレオ効果は前後方向に対してかなりの許容度がありますが、左右方向での許容度は限られます。
[サラウンド]
1)前方配置型の音楽について全方向からの残響音に代表される間接音を再生し、臨場感、現実感を出すことができます。また、聞き手を四方から包み込むような新しい音楽表現も可能となります。
2)センタースピーカーを用いた場合に聴取位置の左右方向の許容度がひろがります。
3)映画やドラマ、スポーツ、ドキュメンタリーなどのオーディオビジュアル系のサラウンド再生において臨場感、現実感が高まります。
4)低音効果用のスピーカーを加えることによって、前方(フロント)および後方(リア)スピーカーは小型のものでも音のバランスがとりやすく、居住空間内でのシステムの収まりが良くなります。













